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【ポート開放不要】Tailscaleで外から家のNAS等に接続する方法!

schedule 2025年11月30日  update 2025年11月30日        
【ポート開放不要】Tailscaleで外から家のNAS等に接続する方法!サムネイル

皆さんこんにちは、pkkiです!

皆さんは、

 「NASを外から接続できるようにする方法ないかな~?」
 「外から接続するようにできるRemote Link 3がポンコツすぎて使い物にならない!」
 「家の中にいるのと同じように外からでも接続したい!」

と、思ったことはありませんか?

今回はそこで、
「ポート開放不要で、無料のTailscaleを使って、外から家のNASに超簡単に接続する方法」
を紹介します!

しかも、Tailscale関係なくネット環境でしか速度に影響が出ないので、光回線契約してる人などは爆速で外からでも接続できます!

でも、TailscaleってNASのどこに入れるんですか?

実は、Tailscaleは何でもいいので要らないパソコン1台用意してそこに入れる必要があります。

本当に超低スペックでもいいので、要らないパソコンを1台だけ用意してください。

また、Tailscaleを導入すれば、NAS以外のプリンター等のルーターに接続されてるデバイスを家と同様に接続することが可能になります!

では、早速解説していきましょう!

Tailscaleとは?

Tailscale ホームページ
https://tailscale.com/

Tailscaleとは、安全でインストールが簡単なWireGuardベースのメッシュ型VPNサービスです。

VPNとは
VPNとは「Virtual Private Network」の略で、
インターネット上に暗号化された仮想的な専用通信網を構築する技術です。
簡単に言うと、ローカルネットワークに別の外にあるパソコンとかを繋げるといった感じです。

主な特徴
  • ポート開放・NAT設定不要!
  • スマホ・PC・サーバーを簡単にVPNで接続可能
  • 超高速で低遅延、セキュアな通信が可能

プラン

続いて、プランについては、画像の様に無料でも十分使えるプランとなっています。

そして、驚くことに無料でも最大100台のデバイスを接続することができます。

でも、どうやって無料で最大100台も接続できるの?

それは、Tailscaleが使っているメッシュ型のP2P接続にあります!

仕組み(初心者にはちょいムズ)

では、Tailscaleは無料でどうやって低遅延のVPNを提供しているのでしょうか

それは、このP2P(Peer-to-peer)という仕組みにあります。

Tailscaleの仕組み(P2P)

P2P(Peer-to-peer)とは、サーバーを介さず、クライアント同士が直接データをやり取りする通信方式のことです。

しかし、接続の調整や認証等はTailscaleのサーバーが担っています
実際のデータ転送等はクライアント同士がやっている感じですね。

このように、接続の調整や認証等だけをTailscaleのサーバーが行っているので、
Tailscale自体は全然負荷がかかりません。
なので、無料でも最大100台も接続可能なわけです。

でも、直接通信ってポート開放しないと無理なんじゃないの

そうなんです!
なので、P2Pを実現するためにNAT越えをする必要があります。

NATとは?(ざっくり)

大体のルーターには「NAT」という機能があります。

これは…

なんですが、このNATは外からのアクセスを基本的にブロックするので、
普通はポート開放しないと外部から接続できません。

マイクラのマルチプレイでポート開放が必要になるのは、このためです。

NAT越えとは?

本来つながらないはずの “ルーター越し” のPC同士が
特別な方法を使って直接通信できるようにする技術

のことです。

どうやってNAT越えしてるの?(超ざっくり版)

Tailscaleのサーバーが仲介するんです。

まず、家の要らないパソコンとスマホ・Ipad等は、
Tailscaleの仲介サーバーに「今ここにいるよ!」と登録します。

サーバーは2つのサーバーの接続状態を見て、
「この2つのサーバーは直接つなげる!」と判断すると、

→ ルーターに対して 穴を開けても大丈夫なタイミング を作り
→ PC同士が直接つながれるよう手助けします

これを ホールパンチング(UDP Hole Punching) といいます。

UDPホールパンチングとは?

難しく聞こえるかもしれませんが仕組みは簡単。

  1. 家の要らないパソコン → ルーターへ「外に通信したいよ〜」と送る
  2. スマホ・Ipad等 → 同じように送る
  3. それをTailscaleのサーバーが調整して
  4. 互いのルーターが「この通信は許可してもいいか」と判断する
  5. 結果、お互いのルーターが通信を通す状態になる

つまり、ポート開放しなくてもPC同士が直接通信できる状態になるわけです。

例えば、このブログのデータが欲しいとpkkiサーバーにリクエストを送信するとします。
「データが欲しい」こうリクエストしたので、pkkiサーバーからのデータを当然受け取らなければいけません。
外からのアクセスはポート開放をしないと基本ブロックされる。
なので、ルーターは「pkkiサーバーだけ受信を許可する」という事をします。
これを利用しているのです。

なので、双方がお互いにデータを同時に送信します。
そうすると、お互い返事を受け取るため、ルータがその受信を許可するのです。

ちなみに「ポート開放」は、受信をどこからでも受け取る状態にするという事です。

なるほど、送信したときに受信をしなければならない
この仕組みを利用しているのですね!

また、Tailscaleの仕組みについては、公式が解説しているので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

今回の構成(必須条件)

今回の構成

実際に作業を始める前に構成を確認します。

画像の様に、ルーターと要らないパソコン・NAS等が繋がっていることを確認してください。

また、要らないパソコンにはWindows・MacOS・Linuxのいずれかが入っていることを確認してください。

WindowsはWindows 10以降ではないと動かないので、
そうでなければ、アップデートまたはLinuxを入れてください。

そして、今回はMacOSは解説しません。

Tailscale サブネットルーター システム要件(要らないパソコン)

OSの種類必須バージョン特記事項・おすすめ度
WindowsWindows 10 (1809以降)
または Windows 11
【おすすめ度:★☆☆】
・設定は一番簡単。
Windows 7 / 8 / 8.1 はサポート終了のため不可。
・勝手なUpdate再起動で止まることがあるのが難点。
macOSmacOS 12 (Monterey) 以降【おすすめ度:★★☆】
・Mac miniなどデスクトップ機なら安定。
・MacBookは閉じたまま運用する工夫が必要。
・古いMac(High Sierra等)は最新版が非対応。
Linux主要ディストリビューション
(Ubuntu, Debian, CentOS等)
【おすすめ度:★★★】
・最も安定的で、動作も軽い。
・古いPCに軽量Linuxを入れれば、10年前のPCでも快適に動く。
・Raspberry Pi OSなども対応。

詳しい要件はこの表にまとめました。

では早速要らないパソコンにTailscaleを入れていきましょう!

Tailscaleのアカウント作成

Tailscale アカウント作成
https://login.tailscale.com/

最初に、上のリンクを開いてログインページを開いてください。

次に、メールアドレスを入力するか、他のプラットフォームからサインするか選択してください。
※今回はGithubから作成しようと思います。

Tailscale Github認証

Githubの場合は、このように表示されるので、「Authorize tailscale」をクリックしてください。

アカウント作成完了したら、勝手にアンケート画面が開くと思います。

次に、アンケートの解説をします

アンケート

Tailscale アンケート

最初に、①「What is your primary reason for using Tailscale?」を「Personal or At-Home Use」にしてください。

次に、②「What is your role within your organaization?」はテキトウに「Engineer」と選んでおきましょう。

それから、③「Which VPN provider are you currently using?」に今使ってるVPNサービスを選択します。
私の場合は、Cloudflareでブログ公開してるので、Cloudflareを選択しました。

そのあと、④「How did you hear about Tailscale?」を「Search」にしておきましょう。

最後に、③「Next:Add your first device」をクリックしたら完了です。

Tailscale Linuxインストール

そのあと、このようなページに飛びますが、閉じて大丈夫です。

Tailscaleのインストール(要らないパソコン)

今回は、Linux・Windowsを解説します。

Linux

sysctl net.ipv4.ip_forward

最初に、上のコマンドを実行してIPフォワーディングが有効になっているのか確認します。

sysctl net.ipv4.ip_forward

このように、「net.ipv4.ip_forward = 1」となっていれば成功です。

echo 'net.ipv4.ip_forward = 1' | sudo tee -a /etc/sysctl.d/99-tailscale.conf
echo 'net.ipv6.conf.all.forwarding = 1' | sudo tee -a /etc/sysctl.d/99-tailscale.conf
sudo sysctl -p /etc/sysctl.d/99-tailscale.conf

もし、「net.ipv4.ip_forward = 0」となっていれば、上のコマンドを実行してください。

curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh
curl -fsSL https://tailscale.com/install.sh | sh

次に、Tailscaleのインストールをするので、上のコマンドを実行してください。

sudo tailscale up

このように、「sudo tailscale up」と表示されれば成功です。

ip a

そして、このコマンドを実行してLANの範囲を取得してください。

ip a

それから、「ens○○」の「inet」の右側に書いている数字を見てください。

もし、「192.168.100.10/24」となっている場合は、「192.168.100.0/24」です。

○○○.○○○.○○○.○○○/○○
「/」の手前の○○○を0にしたものがLANの範囲です。

sudo tailscale up --advertise-routes=LANの範囲(例:192.168.100.0/24)

確認出来たら、このコマンドを書き換えて実行してください。

sudo tailscale up --advertise-routes=LANの範囲(例:192.168.100.0/24)

そのあと、このようにリンクが表示されるので開いてください。

tailscale connect device

このように、デバイスを接続するのか聞かれるので、「Connect」をクリックしてください。

tailscale login successful

このように、「successful」と表示されれば成功です。

次に、上のリンクから管理パネルを開いてください。

tailscale ルート設定

先ほど追加したデバイスが出てくるので、その右側の①「…」をクリックしてください。

それから、②「Edit route settings…」をクリックしてください。

そのあと、「subnet routes」にある③のLAN範囲があるのでチェックを付けて、
④「Save」をクリックしてください。

tailscale キー期限無効化

最後に、先ほど同様①「…」をクリックして、②「Disable key expiry」をクリックすれば完了です。

ちなみに、デバイスのキーが切れると再認証しないと接続できない事があるらしいので、「Disable key expiry」からキーの期限を無効にしました。

これで、要らないパソコン側の設定は完了です。

Windows

最初に、上のリンクを開いて「Download Tailscale for Windows」をクリックしてください。

tailscale-setup-1.90.9.exe

次に、ダウンロードが完了したらクリックして開いてください。

Tailscale Setup

それから、①「I agree to…」から同意してチェックをして、
②「Install」をクリックしてインストールします。

Tailscale Setup

インストールが完了するとこの画面が開きます。
「Get Started」をクリックしてください。

Tailscale Setup

それから、「Sign in to your network」をクリックしてください。

Tailscale Connect

このように、デバイスを接続するのか聞かれるので、「Connect」をクリックしてください。

Tailscale Login successful

このように、「successful」と表示されれば成功です。

そのあと、この画面になるので、「Close」をクリックして閉じてください。

ファイル名を指定して実行
powershell

続いて、「Win」+「R」を同時押しして、「powershell」を入力して「ok」をクリックしてください。

Get-NetRoute | Where-Object { $_.DestinationPrefix -like "192.168*" -and $_.NextHop -eq "0.0.0.0" } | Select-Object -ExpandProperty DestinationPrefix

それから、このコマンドを入力して実行してください。
これで、LAN範囲を確認します。

Get-NetRoute | Where-Object { $_.DestinationPrefix -like "192.168*" -and $_.NextHop -eq "0.0.0.0" } | Select-Object -ExpandProperty DestinationPrefix

そうすると、このようにLANの範囲が表示されるので、一番下をメモしてください。

tailscale up --advertise-routes=LANの範囲(例:192.168.150.0/23)

確認出来たら、このコマンドを先ほどメモしたLAN範囲に書き換えて実行してください。

tailscale up --advertise-routes=LANの範囲(例:192.168.150.0/23)

このように、何も表示されなければ成功です。

次に、上のリンクから管理パネルを開いてください。

tailscale ルート設定

先ほど追加したデバイスが出てくるので、その右側の①「…」をクリックしてください。

それから、②「Edit route settings…」をクリックしてください。

そのあと、「subnet routes」にある③のLAN範囲があるのでチェックを付けて、
④「Save」をクリックしてください。

tailscale キー期限無効化

最後に、先ほど同様①「…」をクリックして、②「Disable key expiry」をクリックすれば完了です。

ちなみに、デバイスのキーが切れると再認証しないと接続できない事があるらしいので、「Disable key expiry」からキーの期限を無効にしました。

これで、要らないパソコン側の設定は完了です。

スリープ無効化設定

また、注意としてはスリープにならないように電源設定を変更してください。
画像で手順だけ載せておきます。

外から接続するデバイスにTailscaleを入れる。

次に、外から接続するデバイスにTailscaleを入れていきます。

Android

初めに、上のリンクからTailscaleをインストールしてください。

Tailscale Android 接続リクエスト

次に、アプリを開いて「接続リクエスト」を「OK」をタップして許可してください。

Tailscale Android Get Started

それから、「Get Started」をタップしてください。

Tailscale Android Login

それから、「Log in」と出てくるので、タップしてログインしてください。

Tailscale Android Notifications

ログインすると、「Notifications」と表示されるので「Continue」をクリックしてください。

Tailscale Android 通知許可

最後に「通知の送信をTailscaleに許可しますか?」で「許可」をタップすれば完了です。

あとは、家にいるとき同様にスマホでNASに接続してみてください。

ファイルマネージャー+で開く方法

スマホでNASを開いたことない人向けに、ちょっと解説します。

上のリンクからファイルマネージャーをダウンロードしてください。

このアプリは、デフォルトのファイルアプリより使いやすいので、お勧めです。

ファイルマネージャー SMB追加

それから、①「リモート」から
②「リモートロケーションを追加する」をタップして、
③「SMB」をタップします。

ファイルマネージャー SMB追加

そのあと、このようにNASのIPアドレスを入力し、ユーザー名・パスワードを入力して「OK」をクリックすれば、普通に接続できます。

ファイルマネージャー動画再生

このように、外からでも自宅NASの動画を普通に見ることができます!

IOS(iPhone・iPad)

最初に、上のリンクからTailscaleアプリをインストールしてください。

Tailscale IOS Get Started

それから、開いて「Get Started」をタップしてください。

Tailscale IOS I understand

そして、「Privacy」を読んで、理解したら「I understand」をタップしてください。

Tailscale IOS Allow Notificaitons
Tailscale IOS 通知許可

次に、通知を許可するので「Allow Notifications」をタップし、「許可」をタップします。

Tailscale IOS Add VPN Configuration

続いて、VPNの構成をするので「Install」をタップしてください。

Tailscale IOS VPN構成許可

「許可」をタップしてください。

Tailscale IOS Connect

次に、接続するために「Connect」をタップしてください。

Tailscale IOS サインイン

それから、Tailscaleにログインするため、「続ける」をタップしてください。

Tailscale IOS 接続完了

ログインして、このように表示されたら成功です。

ファイルから開く

iOS ファイル サーバーへ接続

最初に、左上にある「︙」をタップして「サーバーへ接続」をタップします。

iOS ファイル サーバーへ接続

それから、サーバーの欄に「smb://NASのアドレス」を入力して、右上の「✓」をタップしてください。

iOS ファイル サーバーへ接続

あとは、NASにログインするための名前とパスワードを入力して、「✓」をタップすれば完了です。

まとめ:ポート開放なしで快適なNASライフを!

IOデータのNASとtp-linkのルーター

いかがでしたでしょうか? 今回は、「要らないパソコン(自宅サーバー)」「Tailscale」 を組み合わせて、外から安全かつ爆速で家のNASにアクセスする方法を紹介しました。

この方法のすごいところをおさらいすると、

これらが、「家に余っていた古いパソコン1台」 で実現できてしまうのは本当に革命的です。

これでもう、「外から家のファイルが見られない…」「VPN設定が難しすぎて挫折した…」という悩みとはおさらばです。外出先のカフェで仕事のファイルを確認したり、移動中の電車で家のNASに保存した映画を見たりと、スマホ活用の幅がグッと広がりますよ!

⚠️ 最後に1点だけ注意点! 踏み台にしているパソコン(Windows/Mac)がスリープしてしまうと、外からの接続も切れてしまいます。運用の際は「スリープ設定の解除」だけは忘れないようにしてください!!

最後までご覧いただき有難うございました!
もし、ご指摘やご感想、設定でつまづいたり、分からないことがあれば
コメントの方でお願いします!

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